【はじめに】
「最近、肩が痛くて腕が上がらない…」「肩こりだと思って放っていたらどんどん悪化した」
そんな経験はありませんか?
40〜60代に多い「四十肩・五十肩」は、肩関節周囲炎と呼ばれる疾患で、一般的な肩こりとはまったく異なるものです。
このブログでは、信頼性の高い医学的情報をもとに、四十肩・五十肩と肩こりの違い、セルフチェック方法、治療や予防法について詳しく解説します。
【四十肩・五十肩とは?】
四十肩・五十肩は、医学的には凍結肩(frozen shoulder)または肩関節周囲炎と呼ばれる状態です。加齢に伴い、肩の関節包に炎症が起き、癒着してしまうことで、関節の動きが制限され強い痛みを伴います。
- 好発年齢:40代後半〜60代
- 発症のきっかけがないことも多い
- 自然治癒もありますが、1年以上かかることも
- 早期に治療を始めないと拘縮が残るリスクも
出典:
日本整形外科学会『整形外科シリーズ 肩関節疾患』
Zuckerman JD, Rokito A. “Frozen shoulder: a consensus definition.” J Shoulder Elbow Surg. 2011;20(2):322–325.
【肩こりと四十肩・五十肩の違い】
項目 | 肩こり | 四十肩・五十肩 |
---|---|---|
痛みの場所 | 肩〜首の筋肉表面 | 肩の奥、関節内部 |
痛みの種類 | 鈍い・重だるい | 鋭い痛み・動かすと激痛 |
可動域の制限 | 基本的にない | 腕が上がらない・背中に手が回らない |
原因 | 筋肉疲労・姿勢 | 関節包の炎症・癒着 |
治療 | ストレッチや休息 | リハビリ・薬物治療・注射など |
出典:
厚生労働省 e-ヘルスネット「肩こり」
日本整形外科学会「肩関節周囲炎(五十肩)」
【セルフチェック|あなたの肩は大丈夫?】
以下の動きが痛い・できない場合は、四十肩・五十肩の可能性があります。
- 腕を横から上げて耳まで届くか
- 背中に手を回して、反対側の肩甲骨を触れるか
- 夜間に肩がズキズキして目が覚めるか
一つでも該当すれば、整形外科の受診をおすすめします。
出典: 労働者健康安全機構「四十肩・五十肩チェックシート」
【整形外科での治療法】
診断方法
- 問診・徒手検査
- レントゲン(骨変化の確認)
- 超音波・MRI(腱の断裂や炎症確認)
治療内容
- 薬物療法:NSAIDs、湿布
- 関節内注射:ステロイド or ヒアルロン酸
- 運動療法(リハビリ):可動域訓練
- 温熱療法・超音波治療
出典:
厚生労働省「標準的な整形外科診療指針」
British Journal of Sports Medicine, 2016: “Effectiveness of corticosteroid injection in frozen shoulder: a meta-analysis”
【日常生活での予防とセルフケア】
早期予防の鍵は、「肩を動かす習慣」と「正しい姿勢」です。
1日3分の簡単ストレッチ
- 肩回し運動:両肩を前後に大きく回す(各10回ずつ)
- 壁タッチストレッチ:壁に指先をつけて、這わせるように腕を上げていく
- タオル体操:タオルの両端を上下から握り、背中で上下に動かす
※痛みがある場合は無理をせず、整形外科医の指導のもとで行いましょう。
出典:
日本整形外科学会「肩関節運動療法マニュアル」
東京都健康長寿医療センター「五十肩の運動療法」
【まとめ】
四十肩・五十肩は、肩こりとは異なり肩関節そのものの障害です。
「肩が上がらない」「夜間痛がある」「日常生活が不便」などの症状があれば、自己判断せずに整形外科を受診しましょう。
エビデンスに基づいた早
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