股関節痛 原因と効果的な治療法 日常生活のポイント

医療

股関節痛は多くの人が経験する症状であり、その原因と治療方法にはさまざまなものが存在します。

特に片側だけに痛みが集中する場合、病気が隠れている可能性があるため、正確な情報を知ることが重要となります。

本記事では一般的な股関節痛の原因と症状、治療方法までを包括的に解説します。

また、日常生活での対処法、避けるべき動作についてもご紹介します。

股関節痛の症状、痛む部分

症状として多いのは足の付け根の痛みです。その他、おしりや太もも、膝の痛みを伴うことがあります。

また、痛いほうの足をかばうため、左右にゆれながら歩くようになることもあります。

股関節痛の原因

  1. 変形性股関節症
  2. 大腿骨頭壊死症
  3. 大腿骨頸部骨折/大腿骨転子部骨折
  4. 股関節唇損傷
  5. 滑液包炎

1.変形性股関節症

股関節の軟骨がすり減ることによって、股関節が変形する病気です。

初期の症状は動き始めの痛みや長距離歩行後のだるさなどですが、進行すると、じっとしている時や寝ている時にも痛みが生じるようになります。

原因はさまざまですが、生まれつきの股関節の形や構造に問題がある場合(日本では臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼など)が多いです。その他では加齢、けが、遺伝、肥満があります。

2.大腿骨頭壊死症

太ももの骨(大腿骨)の付け根である骨頭へ十分な血流が与えられなくなり壊死(えし)、つまり骨頭が死んでしまう病気です。

病気が進行するにつれ、骨頭がつぶれていき、股関節痛が徐々に強くなり、歩行が制限されたりもします。

原因は、けがやアルコールの多飲、ステロイドの使用、自己免疫性疾患などがあります。

3.大腿骨頸部骨折/大腿骨転子部骨折

高齢者に多い病気です。転倒やしりもちなど軽微な外傷で大腿骨の付け根の部分が骨折する病気です。

股関節を動かしただけで、強い痛みがあり、自分で体を動かすことが困難になります。

男女比は1:4で、女性に多いです。女性は閉経すると、女性ホルモンが減少し、骨粗しょう症が進行することが多いためと考えられています。

寝たきりになる一因でもあるため、早めの手術が望ましいです。

若い方だと交通事故や高所からの転落など、大きな衝撃が加わったときに生じます。

4.股関節唇損傷

股関節唇は、股関節の周りを取り囲むリング状の軟骨で、関節の安定性を保ち、動きを滑らかにする役割を果たしています。股関節唇の一部が傷ついたり、破れたりした状態を指します。

痛みのほかに、股関節のひっかかり感、関節がずれる感覚などの症状があります。

原因はけがや、股関節を繰り返し使う運動(サッカー、ランニングなど)、生まれもった股関節の構造の問題などがあります。

5.滑液包炎

滑液包(かつえきほう)は、関節や筋肉、腱の周りにある小さな袋状の構造です。滑液包の中には「滑液」と呼ばれる潤滑油のような液体が入っており、液体が関節や筋肉、腱の動きを滑らかにし、摩擦を減らす役割を果たしています。

股関節の周囲には複数の滑液包があり、これが炎症を起こすことにより痛みが出現します。

原因は、慢性的な圧がかかること(デスクワーカーで長時間座っている場合など)、過度な運動(サッカー、ランニング、テニスなど)、長時間の重労働などがあります。

股関節痛があるとき気をつけること

  1. 体重管理
  2. 生活スタイルの改善
  3. 適度な運動

1.体重管理

歩行時、片方の股関節には体重の約3倍の力が加わっています。

体重が増えると、その分股関節への負担が増えるため、なるべく太りすぎないように管理をしましょう。

2.生活スタイルの改善

和式の生活は股関節を深く曲げることで、股関節に負担がかかりやすい動作が多いです(あぐら、和式トイレなど)

股関節痛がある場合は、洋式の生活スタイルにかえるのもよいでしょう。

3.適度な運動

股関節痛があるからといって、動かずにいることもよくないです。

長く動かさないことで、筋力の低下や股関節の動きが悪くなり、余計に股関節痛がひどくなる場合があります。

そのため、無理のない範囲で運動することが大切です。股関節のストレッチやウォーキング、水泳などです。特にオススメなのが、水中ウォーキングです。浮力があるため、股関節への負担が少ない状態で無理なく運動することができます。

病院でできる股関節痛の治療

  1. リハビリ
  2. 薬物治療
  3. 手術

1.リハビリ

痛みを伴わない可動域訓練、筋力強化訓練などの運動療法や、温熱療法(ホットパック、超音波など)、寒冷療法(アイスパックなど)などの物理療法を行います。

2.薬物療法

痛みが強い場合は、痛み止めを使って治療を行います。

痛み止めは根本的な治療ではないため、内服が長期間続くようであれば手術を検討します。

3.手術

他の治療を行っても症状が改善しない場合は、大腿骨や骨盤の骨を切って股関節の構造を矯正する手術(骨切り術)や金属製の人工の関節に置き換える手術(人工股関節置換術)などを行います。

手術の適応については、年齢や痛みの程度、変形の進行度など総合的に医師が判断して決定します。

まとめ

股関節は人体で一番大きく、歩行に欠かせない重要なな関節です。

股関節痛をそのままにしておくと、日常生活を送ることが困難となってしまうことがあります。

そのためにも異常を感じたら、まず医療機関を受診しましょう。

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